アメリカのシンガーソングライター、女優。 カントリー・ミュージックの第一人者であり、グラミー賞受賞者。女優兼モデルのジュリア・パートンは従姉妹。

映画『9時から5時まで』の主演および同名のテーマソング『9時から5時まで』、映画『マグノリアの花たち』で有名。

ビルボードのカントリーチャートで26曲が1位を獲得。1974年には「オールウェイズ・ラヴ・ユー」でカントリーチャート1位を獲得。この曲はのちにホイットニー・ヒューストンにカバーされ大ヒットしたが、ドリーの曲はあくまでカントリー曲そのものである。

グラミー賞には42回ノミネートされ7回受賞している。アカデミー賞には1980年『9時から5時まで』、2005年『トランスアメリカ』の2回、主題歌賞にソングライターとしてノミネートされるが受賞には至っていない。

人気曲である『Jolene』はホワイト・ストライプスがカバーしている他、オリヴィア・ニュートン=ジョン版が有名。

2006年から、ディズニー・チャンネルで放送されている『シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ』の主人公マイリー・スチュワート/ハンナ・モンタナ(マイリー・サイラス)の「ドリー叔母さん」役として度々出演している。

「あの人の寝言に出てくるの」という箇所から察するに、現在主人公の置かれている状況は次のようなものでしょう。

彼女と恋人とが仲良く幸せに暮らしていたところ、ある日このジョリンという名前のやたらに魅力的な「魔性の女」が突然現れて、恋人がそちらに惹かれていく(あるいは主人公を裏切る)。
主人公は自分が到底ジョリンには敵わないとわかっているので、彼女に恋人を奪わないでくれと必死に頼んでいる。

主人公には気の毒ですが、ジョリンに頼んでも無駄なような気がします。いずれにしろ彼女(ジョリン)は自分の好きなようにしますね。

Jolene, Jolene, Jolene, Jolene
I’m begging of you please don’t take my man
Jolene, Jolene, Jolene, Jolene
Please don’t take him just because you can
Your beauty is beyond compare
With flaming locks of auburn hair
With ivory skin and eyes of emerald green

Your smile is like a breath of spring
Your voice is soft like summer rain
And I cannot compete with you, Jolene

He talks about you in his sleep
There’s nothing I can do to keep
From crying when he calls your name, Jolene

And I can easily understand
How you could easily take my man
But you don’t know what he means to me, Jolene

Jolene, Jolene, Jolene, Jolene
I’m begging of you please don’t take my man
Jolene, Jolene, Jolene, Jolene
Please don’t take him just because you can

You could have your choice of men
But I could never love again
He’s the only one for me, Jolene

I had to have this talk with you
My happiness depends on you
And whatever you decide to do, Jolene

Jolene, Jolene, Jolene, Jolene
I’m begging of you please don’t take my man
Jolene, Jolene, Jolene, Jolene
Please don’t take him even though you can
Jolene, Jolene

ジョリン,ねえジョリン
お願いだから,あの人を取らないで
ジョリーン,聞いてよジョリン
頼むから,あの人を面白半分に誘ったりしないで
見た目じゃ勝負にならないの
その赤味を帯びた茶色の髪と
白い肌に輝く,エメラルドグリーンの瞳
敵うわけないってわかってる

笑うとまるで春が来たような感じがするし
声だって,夏の雨みたいにしっとりとして温かい
とてもじゃないけど相手にならない

あの人の寝言に出てくるの
だからどんなに必死に頑張っても
涙が溢れて止まらなくなる
ベッドで名前を耳にするたび

そんなのすぐにわかることよ
その気になれば,あの人の心を奪うことくらい
なんてことないことだって
だけどその程度のあの人を大切にしてる人がここにいる

ジョリン,ねえジョリン
お願いだから,あの人を取らないで
ジョリーン,聞いてよジョリン
頼むから,あの人を面白半分に誘ったりしないで

別にあの人でなくたって
望めばいくらでも相手はいるでしょ?
だけど他の人はそうじゃないの
一生に一度の恋だったし
たった一人の人なのよ

こうやってちゃんと話しておけばよかった
だけどそうしなかったから
自分の幸せなのに自分で決められなくて
その人の出方で決まっちゃう*

ジョリン,ねえジョリン
お願いだから,あの人を取らないで
ジョリン,聞いてよジョリン
頼むから,あの人を面白半分に誘ったりしないで

(補足)

地味に難しい曲でした。ただ歌詞自体が難しいわけではありません。大変良く出来た歌詞なので、非常にわかりやすく、日本語にするのは決して難しくないばかりか、むしろ容易と言ってもいい曲です。

では一体何が難しかったかというと二人称の省略です。
というのも、二人称の代名詞で「お前」は比較的日常生活で耳にするものの「あなた」はあまり耳にする機会がないような気がするためです。

この訳文も「あなた」を使えば造作もなく出来たのですが、それを省いてなおかつ意味の通る日本語にするのに思いの外苦労しました。

また,私は英語の流れに沿って訳文を作っています。したがってまだ該当する英語部分が出ていない箇所ではそれに対応する訳語を使いません。このため、この曲の以下の部分で引っかかりました。

He talks about you in his sleep
There’s nothing I can do to keep
From crying when he calls your name, Jolene

直訳すれば、

寝ている間にあの人があなたの寝言をいったの
あの人があなたの名前を呼ぶと
そのたびにどうしても私は泣いてしまう

ですが、これでは2番目と3番目の文章の順序が入れ替わってしまいます。これを一体どうすればいいのか。

実際に訳してみると「あなた」を使わず、英語の流れに沿ってこの曲を和訳するのは思った以上に骨の折れる作業であることがわかるはずです。